県営・市営住宅の団地は、契約後の修繕工事が終わるまで部屋の中を見せてくれない自治体が多いです。
実際に現在入居している部屋は内覧を受け付けておらず、「間取りの一例」として平面の図面だけを見て抽選に応募しました。
つまり、当選後(修繕後)に許可を得てから初めて、内装や各部屋の詳細な寸法を確認することになります。
間取り図を見るだけでは分からないことが沢山あり、壁の色や備え付けられている物、ニオイ、室内のキレイさ、すら不明です。
管理会社に問い合わせても教えてくれず、当選してから「思っていたイメージと違っていた」なんてことがあるかもしれません。
色々とイメージと違うこともありました。
この記事では、我が家の失敗を例に、内覧を受け付けていない団地に申し込む前に知っておくべきことをご説明します。
畳のサイズを把握しておく
「一畳」と一言に表しても、地域や用途によって畳1枚の規格(サイズ)は様々です。さらに、部屋全体の寸法によって畳1枚のサイズが微妙に異なります。
- 京間(主に関西):191cm×95.5cm
- 江戸間(主に関東):176cm×88cm
- 団地間(集合住宅):170cm×85cm
我が家の畳のサイズを測ってみたところ、団地間よりも小さめの「167cm×84cm」でした。
枚数が増えれば増えるほど総全長の差が開き、団地の間取り図に「和室6畳」と書いていても、「以前住んでいた部屋の6畳」とは面積が異なります。
もちろん、間取り図に部屋のサイズ(mm)が記入されているのですが、あくまでも「間取りの一例」で、同建物・同階でも実際の寸法ではありません。
それに、縮尺がおかしくて「正確な間取り図」ではなかったのです。メジャーを使って自分たちの手で計測するまでは、「正しい寸法が分からない」ということを知っておいてください。
そこで困ったのが家具や家電の設置です。
想定より部屋が狭いとベッドが入らなくなる
以前住んでいた賃貸住宅では、6畳の洋室にシングルベッドを2台、横に並べて寝ていました。
しかし、現在住んでいる団地では2台並べるとドアが開かず、L字にしないと設置できません。以前は、まだスペースに余裕があったのに「団地の6畳」は部屋面積が狭かったのです。
そのまま寝ることはできますが、L字に設置したベッドはやや違和感があります。子供と一緒に寝ているご家庭では、今までのような“川の字で寝る”は難しいですね。
対策としてはドアを外してしまうこと。昔のドアは蝶番のネジを取り外せば簡単に外れます。
そして、突っ張り棒で入り口に暖簾などをかけておけば、部屋の中が丸見えになることはなく、来客があっても少しは寝室を隠せます。
それでも、築年数の古い団地はベッドの使用を想定しておらず、使いにくいことに変わりはありません。
「従来の布団」か「折りたたみウレタンマットレス」の使用をおすすめします。
洗濯機置き場の確認(洗濯機が入らない)
洗濯機置き場に段差があるのは想定外でした。それと、左右に水道菅があって旧居で使っていたドラム式洗濯機が、どう考えても入らなかったのです。
もし洗濯パンが小さいだけだったのなら「かさ上げ台」を使えば何とかなります。
しかし、水道管があっては避けようがありません。結局、ドラム式洗濯機はリサイクルショップに売却して、設置できるサイズの縦型洗濯機の購入費用に充てました。
平面の間取り図例だけでは詳細が記載されておらず、段差や水道管が通っているなんてことは不明です。
「旧居で使っていた物をそのまま使おう」と考えていても、思わぬ落とし穴があるかもしれません。大型家電は現地を「見てから」が基本で先走って購入しないようにしてください。
大物は引越し業者の搬入費用に含まれるはずですので、見積もりの際にキャンセルになるかもと伝えておくとスムーズです。
どうしても入らない場合は売却を検討する
もし、どうしても入らないことが判明したらリサイクルショップを利用しましょう。
大型家具・家電でも搬出をしてくれて、価値のある物はお金になります。価値がなければ、そのまま引取り処分を依頼することが可能です。
搬出費やリサイクル費用(市町村の廃棄処分代)が必要な場合がありますが、ご自身で外に出すだけでも大変ですので、必要であれば業者さんに問い合わせてみてくださいね。
団地はテレビアンテナ端子が1つしかない
以前よりも部屋数が多くなる団地へ引越す際に、検討していたことがありました。
- 新しいテレビを購入してリビングへ
- 古いテレビは寝室へ
しかし、テレビアンテナの端子がリビングに1つしか付いていませんでした。古い団地では常識のようです。
部屋内を確認するまで知りませんでした。
もし、引越し日に合わせてテレビを注文していたら、まだまだ使える古いテレビを無駄に買い替えてしまうことになっていたところです。
現在は、寝室にテレビが無くても困っていないので、リビング以外に設置していません。
築年数や部屋の広さによってはアンテナ端子が1つしかないかもしれないこと、確認する前に購入してしまわないこと、を知っておいてください。
アンテナ端子が無い部屋でテレビを視聴する方法
ちなみに、アンテナ端子が無い部屋でテレビを見る方法は主に3つあります。
- アンテナ線を延長する
- 無線LAN接続(DLNA)
- 室内簡易アンテナに接続
アンテナ線の延長は分配器と延長コードを使って必要な部屋まで線を引き伸ばして視聴します。
無線LAN接続はWi-Fi環境(インターネット)で、対応したテレビまたはレコーダーに無線でアンテナ信号を飛ばして視聴します。
室内簡易アンテナは自動車のフィルムアンテナのような原理で、窓に貼り付けて電波を受信します。電波塔の位置によっては受信感度が悪く、安定しないのが欠点です。
他にも地上波とは違いますが、ビデオオンデマンドに契約すると、月額料金だけで映画やアニメ、見逃し番組などをテレビに送信することもできます。
※要インターネット環境
まとめ
県営・市営住宅の団地で申込前の内覧ができないのは、「修繕前で汚れていて見せられない」や「対応できない」「住居に困っていて贅沢は言えない」などが理由として挙がると思います。
管理会社へ室内の詳細を問い合わせても、「分からない」や「曖昧な答え」で教えてくれません。
修繕工事が終わり許可を得られると内覧が可能になりますが、管理事務所へカギを取りに行かなければならず、スケジュール的に厳しい人もいらっしゃるはずです。
我が家では、入居説明会(カギの受取日)の2日前にやっと内覧ができました。
旧居の賃貸が日割り計算の退去ではなかったため、月内の引越しをしなくてはいけなくて、かなりタイトなスケジュールに…。
※月末に入居説明会がありました
ある程度は「自分たちで見てから」となります。急いで家財を買い揃えたり、内装に期待しすぎないようにしてくださいね。