上着に小型扇風機が内蔵された空調服。夏の工事現場で働く人が着ているのをよく見かけますよね。
あれを室内で着ればエアコン無しの夏でも快適に過ごせるのではないか?と思い、実際に購入して涼しさを確かめてみました。
結論からお伝えすると
体温を風で飛ばして涼しくなるけれど、座る体勢によってはかえって暑苦しい
という結果になりました。
キッチンで料理をしたりベランダで洗濯物を干すには良いですが、座ってじっとしているなら扇風機の強風に当たっているのとさほど変わりはないと感じます。
空調服の組み立て方・仕組み
「CARLCARD」というブランドの空調服の表面はいたって普通のナイロンパーカーです。夏用の薄生地タイプでユニクロ…というよりもGU(ジーユー)に売っていてもおかしくなさそうな質感でした。
安物のせいかシワになりやすいですが、“シャカシャカ”する手触りはイメージしていただきやすいと思います。
空調服が登場した頃を思い返すと約2万円ほどで販売されていました。それが今や3千円台から購入出来てしまうのは驚きです。
小型扇風機を装着する
裏面は小型扇風機を装着する穴が腰あたりに2か所開いています。
この穴から風を送り込み、直接体に当てることでどんな場所にいても体の熱が発散されるという仕組みです。
付属していた小型扇風機はフタを反時計回りに回すと2分割になります。
若干、説明書に書いてある内容とは違いましたが、付くようにしか装着できないので誰でもすぐに理解できるはずです。生地が破けないよう慎重に穴の中に収めます。
先にフタを穴に合わせて入れてから…
内側から小型扇風機本体を時計回りで取り付けます。
この時に生地を巻き込んでシワになったり隙間が空かないように注意です。
内側から配線を通す
空調服の配線は、二股になったピンジャック(電源線)ースイッチリモコンーモバイルバッテリーに接続するUSBタイプA(黄色)の構成です。
小型扇風機にピンジャックを挿して「ポケットの内側から外側へ出す」と書いてあったのですが、通す穴が見当たらなかったので下側(腰ゴム)⇒外側からポケットに配線しました。
ここら辺は中国製クオリティなのか不良品なのか、説明書と書いてあることが違って戸惑いが多かったです。
内側の一部はナイロンとメッシュの2重構造になっていて、肌着が扇風機に巻き込んでしまわないような工夫がされています。
モバイルバッテリーに接続後ポケットに入れる
電源となるモバイルバッテリーは別売りのため、持っていない人は別途購入が必要です。
別商品のレビューに「モバイルバッテリーもセットだと良かったのに」といったことが書いてありましたが、個人的には正体不明の抱き合わせモバイルバッテリーは将来的に爆発しないか不安ですので、空調服+ファンのみのセットが良いです。
今の時代はダイソーでも10000mAhのモバイルバッテリーが1,100円で売っています。
ネット通販では、有名メーカーかつもっと大容量の15000mAhで1,000円前後で販売していることもあるので、安くなっていれば一緒に購入しましょう。
さて、これで空調服で涼む準備が整いました。
風量は3段階で「弱・中・強」が赤色のボタンを押すたびに切り替わります。指さした手のマークは謎ですね…。日本人には馴染みのない独特の感性が光ります。
ちなみに、10000mAhのモバイルバッテリーで7~8時間(中風量)作動できました。ご参考までに。
室内で空調服を着て涼む
リモコンの電源を入れると風で空調服が膨らみました。工事現場で見た光景とまさに同じ。
ファンの音は静音ではありませんが、それほど気にならずこのサイズにしては静かな方です。
常に扇風機の風に当たっているような感覚
風量は意外と多く、ナイロンパーカー自体は風を通さないため腕と首元から体温を奪った風が抜けていきます。
画像では伝わりにくいと思いますが、袖から風がビューっと出ています。
長袖型の空調服は腕にも風が通るのと日焼けしにくい点がメリットです。ベスト型は腕まくりをする人、汗でまとわりつきたくない人に向いています。
どちらも一長一短あると思いますので用途によって選んでいただければと思います。
フードを被ると風が頭へ向かうため、上半身全体が扇風機の風に当たっているような感覚です。
どこにいても腰に装着した小型扇風機が風を送ってくれて体の熱を奪ってくれます。風は常温のため「涼しい!」とまでは言えませんが、扇風機を置けない場所・家事ですぐに移動する・無風の屋外では活躍するでしょう。
スーパーの買い出しにこれを着ていきたいけれども…なかなか勇気が出ません。人目を気にしないという方は是非。
肌と密着すると暑苦しいことも
デメリットは長袖を一枚余分に羽織っているので、生地が肌に密着するとかえって暑苦しく感じてしまうこと。
冒頭でお伝えしたように、座ってじっとしているなら扇風機の強風に当たっているのとさほど変わりはないですね。例えば、もたれかかって座ると背中は生地と密着します。
その密着した箇所は風が通らないため、普段ならTシャツ1枚だったところをTシャツ+ナイロンパーカーの2枚で「厚着している」のと同じ意味合いです。
それでしたら物理的な冷風が出る「冷風機能付き除湿機」や「自作クーラー」の風に当たる方が良いのではないかと考えます。
まとめ
この記事の内容をまとめます。
- 扇風機を設置できない場所
- 扇風機の前からすぐに離れる家事・仕事
- 屋外
- 屋内でじっと座っている
- 生地と密着しやすい体勢
一般的な用途としては家庭菜園の畑仕事やスポーツ観戦等の屋外で着る分には、ハンディファンを持たずして(手ぶらで)非常に涼しく感じられるはずです。
繰り返しになりますが、扇風機の前からすぐに離れる家事・仕事以外の室内で空調服を着る意味はあまりないのかなと体感しました。
一応、氷袋も付属していたので、服の中に仕込んでいると自分だけの簡易クーラーとして使えます。ご参考になれば幸いです。
※カラーはグレーとブルーの2種類から選べます