昭和レトロな佇まいの団地。昔ながらの雰囲気がある住宅は「行事や団地内のルール、ご近所付き合いが面倒」というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
築40年弱の県営住宅に入居する前に、特に心配していたのがご近所付き合いです。
人見知りで交流が得意ではなく、「自治会の活動が活発だったらどうしよう」や「近所の人が頻繁に家にやってくるのでは?」と考えていました。
結論からお伝えすると、ご近所付き合いは驚くほど皆無で誰もやってきません。回覧板などのやり取りはポストインで済み、顔を合わせる機会は掃除等の集まりの時だけ。
実際に住んでみるとイメージとは真逆で何も心配することはありませんでした。団地のご近所付き合いが気になる人に向けてご説明していきます。
団地のご近所付き合い
意外にも団地のご近所付き合いはほとんどありませんでした。というのも、外に出ても人の気配がなさすぎて誰とも会わないのです。
入居前までは以下のようなイメージ。
- 井戸端会議をしている奥様がいる
- 敷地内で運動をしている人がいる
- 木陰に座っている人がいる
- 子供が走り回っている
通路で誰かに会ってお話をしたり、年齢や仕事、家庭事情を聞かれたりするものだと思っていました。それに最近のお子さんはスマホやテレビゲームで遊ぶことが多いのでしょう。
最後に団地の住人に会ったのは国勢調査の説明を受けた3週間ほど前で、まるで「ゴーストタウンか?」と思えるほど誰とも会わず話さずな日々が続いています。
このような状態が続くと人見知りの僕でも逆に恋しくなりますね。最近では外出するたびに「誰かいないかな」と淡い期待をしている自分がいます。
もちろん出かけるタイミング次第です。朝早くから出勤する人が多く、他の住人は毎日のように顔を合わせているかもしれません。
上の住人の足音はしますが、横の部屋からは物音が一切せず「大丈夫か?」とも考えるように…。
お互いを干渉しない世帯が増えている
最近では、若い世帯同士・年配世帯同士でもあまりお互いを干渉しないようです。
仕事や子育てに忙しくて他人に構っている場合ではなく、スマホの普及でコミュニケーションはインターネットで手軽に行う人が増えているように感じます。
また、若い世帯と年配世帯では世代差がありすぎて、価値観の違いで話しが合わないのかもしれません。例えば、子育て方法なんかは昭和の時代と令和の時代は全く違います。
助言をしないし助言を求めない。
善意で助言をしたつもりでも煙たがれることが多く、昔は分からなかったことが現代では解明されたり便利なモノが普及して、あえてお互いが近づかなくなったとも考えられます。
昔ながらのご近所付き合いの良いところがあっても、最近は部屋の中にこもって自分の時間を過ごしていることが多いのでしょう。
昭和生まれの自分からすると少し寂しい気もしますが、人見知りということもあってお互いが干渉しすぎない良い距離感を保てています。
デメリットとしては“何かあった時”に発見が遅れること。一時期テレビニュースでよく報道されていた「孤独」になる意味が団地に住んでからよく分かりました。
毎月のように行われる行事は、そういったことの確認のために設けられているのかもしれませんね。
付かず離れずの精神
団地は毎月のように行事(ルール)があります。
- 月に一度の掃除
- ゴミ捨て場の掃除
- 廃品回収
- 自治会費の集金
- 懇親会
- 見回りパトロール
など
活発な自治活動を行っている団地では、ご近所の方と顔を合わせる機会が多いと思います。
しかし、すべての団地が活発という訳ではなく「付かず離れずの精神」で良い距離感を保っている団地があるのも事実です。
「仲良くしましょう」と言いつつも、顔は知っていてもほとんどの住人の名前は知りません。あの人は何をしている人で、どの棟に住んでいるかも分かりません。
自治会費を回収する当番がやってきたり回覧板をまわすにも、玄関ドアのポストに投函するだけで顔を合わすことがないです。
行事に参加をするのだけれど、稀に階段で会っても「こんにちは」程度の挨拶をするくらい。深くは立ち入りません。
これから入居したい方で「ご近所さんとの交流が楽しみ」と思われている方が、もしうちの団地に住むと拍子抜けすると思います。
事前に当番制度や活動具合、町内会の規模などを確認しておくのも一つの手です。
強制参加ではない行事が多い
仕事で疲れた体を休めたいのに土日に行事があるとしんどいですよね。それに、夜間のパトロールなんて行けない・行きたくない人も多いはず。
そんな事情を考慮してか強制参加ではない行事が多くあります。懇親会でも人によっては予定がありますので、無理に参加しなくても良いです。
直接頼まれなければ参加しなくてもOKなところが多いはず。
毎月の掃除でもお金を払えば全て不参加にすることもできます。うちは1,000円の罰金ですが、親戚の団地は不参加者が続出しすぎて2,000円に値上げしたそうです。
1,000円なら払ってもよいかなと感じても、さすがに2,000円は高すぎだと思います。やはり、高いと思う人が多くて掃除に参加する人が増えたそうな。
出席簿を見ると一年間に一度も来ていない人がチラホラといます。でも、誰一人文句を言う人はいません。それぞれの家庭事情があって金銭感覚は様々。
掃除に参加するのか、しないのかは意外と自由でした。
行事に参加しなければ新たな交流が生まれることもなく、何かの機会にお願いされる頻度を減らせます。つまり、望まなければ仲間の輪に入らなくても暮らせるということ。
団地だからといって「ご近所付き合いが面倒」とは限りません。やり用によっては自分の時間や家族の時間を優先することができます。
ただし、自治会長さんへの最初のご挨拶は丁寧に済ませておきましょう。
まとめ
人見知りなのでご近所付き合いが活発ではない「閑静な団地」で平和に暮らせて良かったと思います。
- 思っているより人の気配がなかった
- お互いを干渉しない世帯が増えている
- 付かず離れずの距離感
- 行事の参加は強制ではなかった
もちろん地域によって人柄や風習、ルールが異なります。
近隣の方と仲良くしたい人も距離感を保ちたい人も、事前に活動状況を確認したり実際に見に行くと雰囲気を感じることができますよ。