昨今の不安定な社会情勢で企業の倒産(廃業)や規模縮小により、給料がもらえなくなってしまった、または減少して生活が苦しいという方も多くいらっしゃるはず。
そんな不安定な社会情勢は公営住宅の募集戸数(申し込みができる部屋数)にも影響を及ぼしています。
そもそも県営や市営などの公営住宅は低所得者向けの住宅。
2019年度とコロナによる影響が出始めた2020年度を比べると僕の住んでいる自治体では募集戸数がかなり減っていることが分かりました。
これから見通しが立たない状態が長引くと、さらに抽選倍率が上がってしまう恐れがあります。公営住宅を希望するのであれば早めに申し込むのが良いかもしれません。
公営住宅の募集戸数が減少している
ご参考までに僕の住んでいる地域(市)にある県営住宅の募集戸数を表にしてみました。
実際の募集戸数や抽選倍率はお住いの地域を管轄している住宅供給公社のWebサイトで確認できます。申し込む前に確認してみましょう。
募集戸数の推移
募集月 | 2019年度 | 2020年度 |
---|---|---|
4月 | 23戸 | 20戸 |
5月 | 13戸 | 24戸 |
6月 | 19戸 | 11戸 |
7月 | 18戸 | 19戸 |
8月 | 22戸 | 13戸 |
9月 | 26戸 | 13戸 |
10月 | 25戸 | 8戸 |
11月 | 28戸 | 12戸 |
12月 | 15戸 | 11戸 |
1月 | 27戸 | 14戸 |
2月 | 26戸 | ー |
3月 | 32戸 | ー |
※特別募集住宅を除く 2021年1月以降は執筆時未公表 公表次第追記します。
例年であれば毎月20~25戸前後の募集がありました。それが2020年度の8月以降は10戸前後に減少しています。
募集戸数が減少しているというのは「収入が増えて出て行く人が少ない」「収入が減って住宅に困窮した申し込み者が増えた」ということです。
言い換えると少ない募集に申込者が集中してしまうため、必然的に抽選倍率が上昇しています。
実際に過去の抽選倍率を調べてみると2018年度、2019年度は誰も申し込んでいない住宅(倍率0=申し込むと即当選)が多くありました。
1度目の緊急事態宣言の影響が出始めたのか、2020年度の夏頃からはほぼ全ての住宅で申込者がいる状態になっています。
条件ありで一戸に申し込みが集中
例えば2020年度の12月は11戸の募集がありました。11戸の中から希望する住宅(団地)を選ぶのですが、「優先条件」があるため実際に申し込める住宅は限られています。
- 単身・複数人以上
- 若年優先
- 新婚優先
- 母子・父子優先
- 多子優先
- 高齢者・障害者優先
など
我が家は「親2人子2人」の4人家族。特に健康面での問題はなく優先条件に当てはまるとすれば「4人家族以上」しかありません。
もし2020年度12月の県営住宅に申し込もうと検討すると、2人家族や新婚、高齢者・障害者の優先ばかりで12月時点での当選は絶望的。
仮に「4人家族以上」の募集があって条件に当てはまったとしても申込者が集中すれば当選確率はグンと下がります。
2家族申し込みの2分の一(50%)の確率でも外れる時は外れるのに倍率40倍(2.5%)にでもなると当たる気がしません。もはや祈るしかないです。
落選すると次月以降の申し込みになるため入居が遅れることになります。募集数が少ない状態が続くといつまで経っても“入居難易度”が高く毎月の家賃出費が多いまま。
収入が元に戻る見込みがないと不安な状況です。
別の地域で探すにしても子供の学校や職場までの距離を考えると出来るだけ同地区を希望したいものです。
家族構成や希望する条件をすり合わせていくと、「思っているほど申し込める住宅が無い=選べない」ということを感じていただけると思います。
見通しが立たないからこそ早めの行動
連日報道されているように飲食業やイベント業、レジャー関連などの業界は本当に大変な時期だと感じます。
逆にネット通販、宅配、IT・家電関連、家庭用ゲームなどは巣ごもり需要で業績が伸びたそうです。コロナ禍により「格差」がさらに広がりましたね。
飲食業界に着目すると取引先である食材・飲料、おしぼり、割り箸、広告業なども今後収束しなければ、さらに影響を受ける可能性が高いです。
一見、関係なさそうな業種でもまわりまわって不況のあおりを受けることだって考えられます。年末調整で「年収が減った」と改めて認識した人も多いのではないでしょうか。
生活保護まではいかなくても、年収が減った不安材料によって「家賃が安い公営住宅に住もう」と検討する人が今後増えるかもしれません。
そうなってしまうと募集に対しての申し込みが多くなり抽選倍率が上がってしまいます。
なかなか入居できなくて貯金がどんどん目減りする前に、少しでも出費を抑えられるように早めの行動をおすすめします。
抽選は主に月1回のペース。自治体によっては年に2回しか抽選がありません。県営と市営で抽選日が異なっていることが多いです。よく確認しておいてくださいね。
まとめ
この記事の内容をまとめます。
- 公営住宅の入居募集戸数が減っている
- 申し込み者が増えて抽選倍率が上がっている傾向
- 優先条件で思ったほど申し込める住宅が無い
- 早期収束しなければ今後、住宅困窮者がさらに増える
ワクチンの供給が始まり、「早期に経済を立て直せるのか」がポイント。しかし、未来のことは誰にも分かりません。
団地生活のメリットやデメリットは色々とありますが、低家賃が最大のメリットです。一生、団地に住むのではなく一時的な避難場所として考えるのも良いと思います。